「あなたは1時間以内に14RTされたら、兵士×捕虜の設定で
両片想いでじれったいジャニメディの、 漫画または小説を書きます」
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 盲目の美少女を捕虜にして四日目、午前の詰問。彼女には大変申し訳ないと思うのだが、俺はこの時間を心待ちにするようになっていた。  捕虜となって四日目の朝。重い扉の開く音が聞こえた。その向こう、東側から差し込む光を瞼で感じ、朝だと判る。
「どうだ。何か言う気になったか?」
 詰問口調でいるのはむしろ楽だった。美少女を前にして砕けた口調で話せと言われたところで、俺にできるはずがない。
 俺にサディストの気はない。自分で言うのも何だが、恐らく、全くない。そんな俺が楽しみにしているのは、もちろん問責じゃない。彼女に会える、彼女の顔を見られる、彼女の声が聞ける、それだけだ。
 けれど、彼女はいずれこの場所を離れて行ってしまう。それは上による連行かも知れないし、彼女の仲間からの襲撃かも知れないし、考えたくはないが、衰弱死かも知れない。
 『彼』の声。ほっ、と息が漏れる。いつもと変わらない口調、それどころか全く同じ台詞。
 盲目である私に配慮したのか、それとも彼の所属する組織はもともと穏健派なのか、地下室に放り込まれるでも鎖でつながれるでもなく、柔らかな寝台のある部屋での軟禁だった。
 それでも監禁に変わりはない。寝台に座り、食事を摂り、横たわり、時たま詰問される、その繰り返しがじわじわともたらす狂いを、私は感じ始めている。
 例えば、目の前にいる『彼』を、愛しく思い始めた―――など。
「私が知っている事は、何もありません」
 見た目にふさわしい、美しい声。そんな表現しかできない俺は、語彙のなさを実感する。何だっけ、匙を転がすような…? いや何か楽器だったような? ヤマトさんに後で聞いてみないと。
 私もやはり、いつもと同じ台詞。彼を失望させるだろうか、という考えが一瞬頭をよぎる。失望ならまだしも、成果がないことを責められて、他の誰かと交代させされるのではないか。
「言う気になったら、いつでも言ってくれ」
 変な沈黙をとりあえずごまかす。
 本当はもっと長く話していたい。当たり前だ。だが時間が限られているし、俺も何を話せばいいか判らない。そもそも俺は兵士で、相手は捕虜だ。話が弾むわけがない。
 だから、俺は毎度こう言って去るしかない。
 そんな言葉に彼の優しさを感じるのは、幻想だろうか。
 彼の声が聞けるのはほんのわずかな時間だけ。その時間もあっという間に終わる。なぜなら、私は捕虜で、彼は兵士。それ以上でもそれ以下でもないのだから。
「じゃあ、また来る」
 彼女に背中を向ける。  私は応える。
「はい」
 扉を閉じてから、気づく。
 「はい」って…あれ? 変じゃない?
 閉じた扉に向かって、そっと呟く。
「待っています、あなたを」




萌えたのでRTを待たずに書きました(笑)
この形式は全然別の話で昔やったのですが、
両片想いを書くのにふさわしいと思ってます。
だが私の書くジャニスの相変わらずの残念さよ…。



by KaL