不空郎さん宅風伯 VS シークェイン

 助走もつけず、巨漢が斬り込む。それを受け止めた剣ごしに、青年は微笑した。
「命がひとつしかないのが惜しい」
「なんで」
「あんたとは何度でも、本気の勝負ができそうだ」
 剣を打ち払い、距離を取る。
「…命がひとつだからできるんだろ、本気の勝負ってやつは」
 巨漢が白い歯を見せ、にやりと笑った。

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