指定:ヴァルト&レリィ
「ヴァルトみたいに、」
窓の桟にもたれて外を見ていたレリィが、不意に呟いた。
「ヴァルトみたいに考えられたら、よかったのかもね…」
本を読んでいたヴァルトはちらりとレリィに目を向け、穏やかな微笑を漏らす。
「そのままでいなさいな」
「……うん」
長い睫毛から零れた雫が、うつ向いた頬に伝った。
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