「よし、次!」 「おす!」 |
―――ここアルカラーダでは |
「せいっ!」 「やぁ!」 |
全ての男が武術を身につけないとならないらしい |
もちろんおれも例外ではなく |
手にまめを作ったり 青あざを作ったりした |
ライラは少しずつおれに慣れたようで |
時たまおれのところにやってくる |
「あの猫 「ここの猫か?」 「ううん 「よく来るけど」 |
「もう一匹黒いのがいるの」 「名前は?」 「知らない」 |
「じゃあ、たくあんと小松菜」 「たくあんと小松菜?」 「今朝の朝飯」 「そんな名前にするの?」 「おれはな」 |
|
「……おう」 |
―――こう言っちゃ何だが |
こいつは男前だ |
どんな親から生まれたんだ |
……興味ない おふくろを捨てた男だ |