指定:エンガルフ

 墜ちてきた「餌」の体をすくい取るように抱きとめる。慣れた手つきで顎を上げさせ、露わになった首すじにかぶりつく。やがて、それまで女の形をしていた「餌」は霧散した。喉を鳴らして「食事」を終えた捕食者は、満足げに自らの唇を舐める。
「待ち遠しいぞ、レリィ…お前の味が」
 笑う唇に牙が輝いた。

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