指定:シュリアスト

「冗談じゃない」
 物陰に隠れて、息を整える。なぜ逃げているのか、もはや自分にも判らない。
「シュリっちめ〜っけ!」
 背後から声と共に飛んできた物体が、上着に張り付く。皮膚にがりりと立てられた爪に声を上げかけたが、先に口からは出たのは悪態。
「投げるな! 猫を投げるなッ!」

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