KannaLuteは『涙』と『林檎』を使用した140文字小説を書きましょう。
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「どしたの」
 友はそれ以上を問わなかった。側の椅子にどっかと座り、寝台の横の籠から林檎をひとつ、馴れた手つきで剥き始める。そして差し出されるひと切れ。
「…いらない」
「いいから食べなさいって」
 言われて、緩慢に口に運ぶ。瑞々しい歯ごたえ。噛み締めながら、また涙が出た。

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