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1-01 翳(かげ)る日常





夕方の太陽 広がる海
 
水中 影を落としながら泳ぐ魚の群れ
    ひときわ大きな魚が一匹




 

波の上には小船が一艘


ザバッ   音を立てる水面

波間に少年が頭を出す




「どうだ  「さっきのよりでかいぞ」
 
小船の上には二人の少年(兄弟)



「うお、すげぇ」
          「…… 「ほんと元気だねお前」

魚の刺さった銛(モリ)を受け取りながら、兄の方が声をかける

「上がるか?」
「まだいける」
「いや、それよかさ、

「さっきお前んち すげぇハデな馬来てたよ」
「うん  「都のっぽい」
 


海岸に目をやる少年たち

「あ、まだいるな」



海岸の崩れかけた家

その横に 不似合いな きらびやかな馬
 
 
見慣れぬ男が、その馬に乗るところだった



少年に気づいた男が、馬上から見下ろす


 


「…妾腹が」


言い捨てて、男は馬を走らせる

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(…ショウフク…?)





>> 1-02 母と父と


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