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1-02 母と父と



家に足を踏み入れる少年


「…おふくろ」



 
「シーク  「座りなさい」



 
「なんで」
「いいから座りなさい」






無言で腰を下ろす


 
「お前の父が都にいるという話は前にしましたね」



 
「その父が亡くなったそうです」






 
「いいですか

「おまえは長子です
「都へ行って父上の跡を継ぎなさい」





「いやだと言ったら?」



 
「…三日後に迎えの者が来ることになっています」

「は!?」


 
「おれになんの断りもなしか!
「くそばばあ」






きびすを返して出て行こうとする少年



 

「弟が」





「いるのだそうですよ」

「あ?」
「おまえの2つ下の弟が」



 
「…同じ父の」





 
「……… 「どんな」

「行って確かめなさい

「でもクローディア家の名を継ぐのはおまえです」




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「いいですね、シークェイン」






>> 1-03 その誇り高き名を


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