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1-05 都へ





 
「アルカラーダまで丸2日かかります
「眠っていただいて結構ですよ」




「別に眠くない」




 
―――聞かされた話は大体おふくろと同じ

―――おれの親父という人間は、都の大した勢力の頭だったらしい


「不幸なことに、館が全焼しまして

「あなたのお父上と叔父ぎみを含む主な方々がお亡くなりになりました」




 
―――親父のことなんてなにも知らないが

「我々クローディア家には新たな君主が必要なのです

「いえ、何も難しい事ではございません。我々も助力を惜しみませんゆえ」


―――親父の死を楽しそうに話すこいつのことを好きにはなれないだろう



 


 
「オルドーク家はクローディア家と近しい関係にありましたが

「近年クローディア家を吸収しようという動きがあります」




「我々はそれを断固として防ぎ
クローディア家の名を守らねばなりません」


―――そんなもんだろうか



 
―――おれには正直どうでもいい



―――弟に会えればそれでいいんだ



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「まもなく都アルカラーダです

「あなた様のお生まれになった土地ですよ」






>> 1-06 闇に光る白刃



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